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メンズファッションの現在





日本のメンズファッションは、特異だ。
と、言われることがある。
元来様々なテイストをミックスする志向性の事だけではない。
特に何がメンズをユニークたらしめているのか?

日本におけるレディースは商品性が高く、例えばガールズコレクションとして独自の路線を走っていることは前にお伝えした。
日本はあらゆる意味で生態系が整っているから、よもやガラパゴス化しているとも揶揄されている。


メンズに話を戻すと、一つはメンズファッション・シーンを牽引する、トップスタイリストたちの存在も特徴的なのかもしれない。
そこには、依然メンズファッション雑誌に載ることが一つの指標としてある。
実際そのことによって、ブランドが認知されるケースが未だ一般的なのだ。
公の面前へ橋渡しをするのは、雑誌の編集者ではなくむしろ彼らスタイリストの場合がある。
日本の場合、デザイナーと消費者との間に、彼らスタイリストが一旦介在するのだ。



言わば一種の濾過装置であり、彼らの承認を得て初めてお墨付きを与えられると言ってもまんざら大げさではない。
スタイリストがある意味プレスでもあり、彼らがピックアップした洋服が雑誌に登場する―
これが良いか悪いかは別として、ここ日本での一つの特徴である。


そして今、メンズファッションの最前線は面白い変化をみせている。
どのような変化かというと、それは必然的なのかも知れないが、これまで市場(雑誌を含む)を前提にしたモノ作りから、より個人(創り手・買い手双方)にとって意義あるものへシフトし始めたということである。
一言でいえば原点回帰なのかもしれないが、より分かりやすく言うと、それは本当の意味でのブランド化が始まっているということである。
メジャーブランドの多くが道を失ったり、メガブランドを志向していく中で、残された"弱者"は「深化」へと舵を取る。
己の最大価値化はそれでしかないからだ。
さらにはそんな小さなブランドが同調して集まって、一つの世界を作ろうとしている。
メガブランドには創り出せない宇宙群である。
そういった動きが東京に限らず、都市都市で生まれてきているのだ。



一方でそれは消費者側の変化と同じ歩みがあって、初めて成り立っていることを忘れてはいけない。
要するに需要があるのだ。


これらは何もファッションに限っての変化ではないだろう。
どこかの特定の分野にアンテナを張っていれば、同様の動きを目にするだろうか。
だが昨年の12月号に記載させて頂いた「胎動」がどういうものか分かってきた今、JFは細分化されていく国内メンズの生態系から目が離せないのである。
ローカライゼーションは、現在このような形で進んでいるのかもしれない。
グローバリゼーションの引き波の後に、最初に見つけた胎動である。




Japan-Fashion.com

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