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「高円寺のこと」

東京について考えると、サイバーパンクに飾り立てられた携帯電話と共に、ネオンライトやロボット、新幹線を思い浮かべるかもしれない。映画「Lost in Translation」のセットから降りたら、あなたはきっと昔から伝えられてきたすばらしい遺産に出会うだろう。2棟の高層ビルの間に1世紀以上は以前に建てられたであろう古い神社があり、モダンな駅の外 では伝統的なお祭りが開催され、若いかわいい女性達が浴衣を着て携帯電話でおしゃべりをする。何が東京を美しく、魅力的にみせているのかというと、このような古いものと新しいものや、ドメスティックなもの、インターナショナルなものが複雑に絡み合っているところだと思う、例えばクリスマスのような。このようなごちゃ混ぜな感じは東京のファッションの風景でも同様だと思う。
ワードローブの中に古着を取り入れるというアートは本当にとてもアツい。かつての原宿や、下北沢、中央線でほんの少し行ったところにある高円寺にまで及んでいる。
高円寺はグーグル検索などでさらに詳しく教えてくれるだろうけれど、ジャパニーズパンクが誕生した街、そして70年代にはそのシーンを発展させた街として知られている。高円寺にはまだとても賑わっているライブハウスや古着屋が数多くある。ショップの数は90年代にものすごく増え、現在では130もの異なった店舗があり、どの街のショップの数よりも多いと思われる。ショップの取り扱っているものの傾向と言えば、アメリカン雑貨だけれど、どのショップも各々のユニークなバイブを持っているのだ。ヴィンテージに特化したショップや、膨大な数の靴をコレクションしているショップ、ジーンズのディーラー、そしてファブリックの技などで驚くくらいオーナーのヴィジュアルコンセプトを表現したお店も数多くある。とても多くのお店の中から選ばれるには、とてもパンチの効いたスタイルや、クオリティの高いアイテム、または面白いコンセプトがなければ成功しないのだ。ショップの戦略とアイテムの獲得は共通点があるようで、どこか異なっているようだ。
西洋の国の古着マーケットとは対照的に、日本の古着マーケットは多くが国内からのものではなく多くの物がアメリカやはたまたヨーロッパから輸入されてきたものなのである。あるショップのオーナーは、少し物価が安い発展途上国のパキスタンやタイなどでアメリカン雑貨を直接買い付けることもあると言う。日本国内のリサイクルショップなどでは、安くて良い掘り出し物をゲットするスリルを味わうことがなかなかできないことが多い。そんな時はいらなくなった服を可燃物のゴミとして出してしまうか、発展途上国に寄付するということがある。すなわち、世界各国から多くの寄付されたアイテム達は日本へ戻ってくるというジャーニーをしていることになり、多くの洋服達が、この東京の窮屈な空間にいるとうことはとても長い距離の旅をしなければならないということになる。
もちろんここではアメリカで同じ値段で売られているのかと噛み付いてくるお客さんもいれば、とても慎重に選んでいる人も居る。アメリカで購入するという日本のマーケットは洗練された産業ではあるが、日本人バイヤーが東洋西洋で日本のマーケットに合うアイテムをフリーマーケットで探すというのもまた洗練されている。

しかし、日本人の買い物客は古着に何を見いだしているのだろう?2つの主な括りがあると考えられる。1つは安く購入してリサイクルするのが好きな人たち、そしてもう一方は最近になって現れたような気もするが本当に価値のある宝物を見つけようとしている人たちだ。そして買い物客の年齢層は上昇していて、あるショップのオーナー曰く20代から70代くらいまでの買い物客がよりよいアイテムを探しているのだという。
ファッションで宝探しを始めようとする盛り上がりは、日々の暮らしのクリエイティビティの成長から始まる。私たちにはかつて買い物をするときに、たくさんの洋服を選べる選択肢がなかった。これらは確実にオンラインショッピングが貢献しているが、ファッションアイテムの量の多さなども影響している。デコ電や、アクセサライズられたi-pod、そしてカスタマイズされた自転車、それらはすべて自分自身の生活や表現をファッションを通じて高めたいという欲望のシグナルなのだ。

EXTRA VISION

高円寺南 4-24-11 website
デニムからTシャツをメインに幅広いアメリカ古着が並ぶ。



               
 

Jacob's Ladder

高円寺南 4-24-4
めずらしいヨーロピアン古着専門店。顧客層も幅広い。



           
 

YURI

高円寺南 4-7-15 website
ポップな古着を揃える雰囲気十分なお店。メンズ、レディースの両方を扱う。



             
 
 

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高円寺南 4-30-8
2店舗で展開されている大型古着店。



             
       
 

S.O

高円寺南 4-30-5
取材前月にオープンした古着店。写真は○十万するというスウェット。



           
 

AMBITIOUS

高円寺南 4-29-14 website
ストックの豊富な501や新品アクセも並ぶセレクトショップ。



         
 
もしあなたがこの古着のグループに属しているなら、高円寺はとても行く価値のある場所だと思う。それはとても原宿のようなファッションの最先端や観光地ではないけれど、週末の午後の散歩には十二分に適している感じだ。もう一方で高円寺は豊かなライブハウスの歴史があり、イマドキの流行の中心の渋谷からも近い下北沢と比較されることがあるけれど、しかしスターバックスやユニクロがの登場や、テナントの賃料の値上がりなどで下北沢にあるショップも高円寺に移転してきている。この街は真のヴィンテージ目利きの街なのである。
ファッションのトレンドはサイクルで回転している。そしてストリートファッションはハイブランドにも影響を及ぼすこともあるし、逆もまた然りだ。最近の「ファッションスナップ」の雑誌では、古着を特集している雑誌をよく見かける。そしてこの古着のトレンドは確実にランウェイのショーにも影響するだろうけれど、これは私たちが絶対に持ってなくてはいけないアイテムというわけではないし、どのような物と物を一緒に組み合わせるのかということなのだろうと思う。私たちは確かにもっと多くのユニークでクリエイティブなものをストリートというランウェイで見ているのだから。



Written by: ジェシカ マンテル
翻訳:岡元宣子
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